留学中に、現地の部活に入った
留学先で現地の部活(CCA)に入る。これは、留学生活の中で一番濃い経験になった。
私はNTUのドラゴンボート部に入り、週4回の練習をこなし、11月の大会で銀メダルを取り、そして1学期で退部した。
きつかったこと、良かったこと、そして正直に感じたこと。すべて書く。
そもそもドラゴンボートとは
日本ではあまり馴染みがないので、簡単に説明しておく。
12人乗りと22人乗りがあり、1人が前で太鼓を叩いてリズムを取り、1人が後ろで舵を取る。つまり漕ぐのは、右と左に5人ずつ(または10人ずつ)。私は右側だった。
ただ漕げばいいわけではなく、細かいフォームがある。肘をあまり曲げない、上体を前のめりに——まずこれを覚えるのが第一段階だ。私はフォームが良かったらしく、レギュラーに選んでもらえた。

入部の流れ:書類は一切なし
意外とゆるい。
① 事前にNTU公式の部活サイトで目星をつける
私は日本でドラゴンボートのイベントに参加したことがあったので、最初から狙っていた。
② Welcome Fairで確認
「交換留学生でも入れますか」と聞きに行った。
③ Telegramグループに入る
NTUの連絡はほぼTelegramである。
④ 後日、湖で体験練習
⑤ 続けたければ、Telegramグループに残る
これだけ。正式な書類は一切出していない。
NTUの部活には「ランク」がある
面白い話を一つ。
NTUの部活にはランクが付けられていて、上位ランクの部活に入らないと、現地学生は寮に住めないらしい(留学生は関係ない)。
ドラゴンボート部はNTUの看板部活で、Aランクだった。だから現地学生にとっては、寮に住むための手段でもあるわけだ。
なお、男子チームもあるが、練習日程が完全に別だったので、ほとんど関わりはなかった。
練習は週4回
これがなかなかハードだった。
火・木曜:17:30〜20:30 キャンパス内で筋トレ+ランニング
土・日曜:8:00〜11:00 キャンパス外の湖で漕ぐ練習
雨の日は、室内の桶に水を溜めて漕ぐ練習をする。
湖では3時間ボートの上にいるが、ずっと漕いでいるわけではなく、2人ずつ漕いだり、グループに分かれて漕いだりする。たまに他の団体と練習レースをすることもあった。
出欠は月1回スプレッドシートにシフトを記入する形。休むときに毎回連絡する必要はなかったが、休んだり遅刻したりすると追加メニューがあり、自分でジムに行ってトレーニングをこなす必要があった。
部員は20人ほど。留学生は、私と一緒に入ったフランス人の友達だけだった。
大会:マリーナベイで銀メダル
11月に大会が一度あった。場所はマリーナベイ。
いろんな大学や団体が20ほどエントリーしていて、ジュニア(12人乗り)・シニア(12人乗り)・全体(22人乗り)の3種類のレース。私はジュニアと全体の2つに出た。
トーナメント戦で、予選 → 2回戦 → セミファイナル → ファイナル。
結果は、ジュニア4位、全体2位。銀メダルをもらった。
1人一つメダルが配られ、それまでの練習の成果を実感できた瞬間だった。


きつかったこと① 土日が本当にきつい
正直に書く。一番きつかったのは、土日の練習だった。
練習場所は、NTUから車で40分のBedok。NTUから行く人にはGrabが用意される。
8時に湖練習が始まるので、6:50に寮のpick up pointに集合。つまり毎週土日6時起きである。
私の寮(Crescent Hall)が集合場所だったのは不幸中の幸いだった。NTUの入り口に位置する寮だからだ。もし北の方の寮だったら、さらに20分早く起きる必要がある。
そして帰りは自力。11時に練習が終わって、MRTで2時間かけて帰ってくる。それだけでへとへとで、土日が全然嬉しくなかった。
シニアメンバーの現地学生も「water trainingより苦痛なものはない」と言っていた(その子も後日退部した)。
平日の筋トレもかなりきついのだが、私はその時間に授業があったので遅れて参加しており、あまり苦痛は感じなかった。

きつかったこと② 友達が、思ったほどできなかった
これも正直に書く。
一緒に入ったフランス人の友達とは、部活を通してもっと仲良くなれた。彼女とはキャンパスツアーで知り合っていたので、元々面識があった。
でも、現地学生と仲良くなるのは、正直難しかった。
彼らにはすでに友達がいるし、シングリッシュをまともに聞き取れない私たち留学生は、少し肩身が狭かった。みんな優しい人たちだったが、どこか壁を感じた。
そして、現地の学生と本当に仲良くなるのは無理かもしれないと、途中で悟ってしまった。
これは誰が悪いという話ではなく、留学生が「期間限定(1年)」であることが大きいと思う。1年で帰る人と深い関係を築こうとする方が、そもそも難しい。それは自然なことだ。
きつかったこと③ とにかく日焼けする
地味に効いたのがこれ。
ボートの上は遮るものがなく、えぐいほど焼ける。日焼け止めは厚く塗っていたが、それでもかなり焼けた。シニアメンバーはみんな真っ黒だった。
しかも面白いことに、肩から腕と太ももが一番焼ける。座っているので膝から下は太ももの影になり、そこまで焼けない。結果、くっきりコントラストができる。
良かったこと
つらい話ばかり書いたが、良かったこともある。
マリーナベイの景色。 いつもはBedokの湖で練習するが、たまにマリーナベイで漕ぐことがあった(大会もここ)。朝早いマリーナベイは空気が澄んでいて、本当に癒された。
銀メダル。 やはり嬉しかった。それまでの練習の成果を、はっきり実感できた。

そして、1学期で退部した
結論から言うと、きつすぎて1学期で辞めた。8月に入部して、11月の大会を最後に退部した。
でも——間違いなく、留学期間中で一番の思い出はドラゴンボートである。
毎週6時起きで、片道2時間かけて、真っ黒に焼けて、それでも本気で漕いだ日々。あの経験は、他では絶対にできなかった。
これから留学する人へ
部活に入ることは、間違いなくおすすめする。理由は3つ。
現地の学生と関わる貴重な機会になる。 深い友達になれるかは別として、留学生同士だけで固まるより、確実に世界が広がる。
留学が「授業だけ」で終わらない。 授業と観光だけの1年と、本気で何かに打ち込んだ1年は、まったく違うものになる。
入部のハードルが低い。 書類も要らず、Telegramに入って体験に行くだけ。合わなければ抜ければいい。
ただし、きつい部活を選ぶなら覚悟は必要だ。私のように途中で辞めることになっても、それでいいと思う。やってみないと、きついかどうかも分からないのだから。


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