結論:シンガポールに留学するなら、現地の銀行口座を開くべき
シンガポールは、世界でも指折りのキャッシュレス大国。街のほとんどの店で、カードやスマホのタッチ決済が使える。
ただ、旅行者と留学生とでは、使える決済手段が大きく変わる。そして先に結論を言ってしまうと、留学するなら、現地の銀行口座(DBS)を開くのが正解だ。口座を開くだけで、日々の支払いが驚くほど楽になる。さらに、シンガポールはアジア経済のハブであり、財政が非常に安定している。そんな国の銀行口座を作れるのは、長期ビザ(学生証)を持っている今だけ。デメリットも無いと言っていい(後述あり)ため、この機会をぜひ利用することをおすすめする。
この記事では、私が実際にシンガポール留学中に使っていた決済方法を、留学生のリアルな目線で紹介する。旅行者向けの情報はよく見かけるけれど、「現地で口座を開いて生活する人」の視点は意外と少ないので、これから留学する人の参考になればうれしい。
前提:シンガポールのキャッシュレス事情
まず、大前提から。
シンガポールでは、支払いの基本は「タッチ決済」だ。VisaやMastercardのカード、あるいはApple Pay・Google Payを端末にかざすだけで、たいていの支払いが済む。MRT(地下鉄)やバスも、専用のカードを買わなくても、手持ちのカードやスマホをそのままかざして乗れる。
一方で、ホーカーセンター(屋台街)や小規模な個人店では、QRコード決済か現金しか使えないことも多い。最近は屋台のキャッシュレス化がかなり進んだけれど、それでも1日30〜50シンガポールドルくらいの現金は、念のため持っておくと安心だ。
ここから、具体的な決済手段を「留学生に役立つ順」で紹介していく。
①【最重要】DBS口座 × PayNow
留学生にとっての主役が、これ。DBS銀行の口座を開いて、PayNowを使う、という組み合わせだ。もちろん日本のカードも使えるが、毎回かかる海外手数料はバカにならない。
PayNowは、シンガポールの携帯番号や口座に紐づけて送金・支払いができるサービスで、国民の多くが日常的に使っている。ただし利用にはシンガポールの銀行口座が必須なので、旅行者は使えない。ここが、留学生と旅行者の決定的な差だ。
私はDBS銀行で口座を開いて、PayNowを使っていた。DBSをおすすめする理由は、こんなところだ。
オンラインで完結、しかも無料で開設できる。 わざわざ銀行の窓口に並ばなくても、アプリから申し込める。
日本に帰国した後も、口座を維持できる。 「My Account」という種類の口座なら、最低預金額の縛りもない。ただし、まったく取引がないと休眠口座になってしまうので、少しお金を残しておくのがコツ。残高に利息がつくので、それだけでも口座が動いている扱いになる。
そしてもう一つ、Singpassを登録しておくと便利だ。Singpassは、いわばシンガポール版のマイナンバーカードのようなデジタルID。留学生でも、学生証があればオンラインで発行できる。行政手続きや各種サービスのログインに使えて、生活のあらゆる場面でスムーズになる。
留学が決まったら、現地に着いて早めにDBS口座を開くこと。これだけで、その後の生活の快適さがまるで違う。
②【周遊派に】YouTripカード
シンガポールを拠点に、東南アジアのあちこちを旅する予定がある人には、YouTrip(ユートリップ)が便利だ。
YouTripは、口座と紐づけて使うプリペイド型のカードで、オンラインで申請できる。最大の魅力は、両替手数料がかからず、海外で支払うときに良いレートで自動両替してくれること。マレーシア、タイ、ベトナム……と国をまたいで旅するとき、その都度両替する手間もロスもなくなる。Mastercard加盟店であれば世界150カ国以上で手数料なし(または非常に低額)で現地の通貨による支払いが可能。
ひとつ注意点。YouTripはシンガポールやタイで展開されているサービスで、日本では発行できない。 だから、これも現地で口座を開いてから申し込む流れになる。
③【送金に】Revolut
Revolut(レボリュート)は、送金や両替に強いアプリだ。
特に便利なのが、PayNowやPayLahを持っていない人同士の送金。留学中は、いろんな国の友達と旅行代を割り勘したり、立て替えたりする場面が多い。そんなとき、Revolut同士なら手軽に送金できる(週末以外は無料)。ヨーロッパで特に普及しているけれど、ヨーロッパ人以外でも使える。
使い方のコツをいくつか。物理カードは配送料がかかるので、私はバーチャルカードを使っていた。 Apple Payに登録すれば、それでタッチ決済もできる。
そして、これは重要な注意点。Revolutは電話番号に紐づくので、シンガポールで使うならシンガポールの電話番号で登録すること。日本の番号のままだと、シンガポール国内での利用が「海外送金」扱いになって、手数料がかかる可能性がある。逆に言うと、日本に帰国して番号が変われば、同じアカウントはそのままでは使えなくなる。
④【補足】WeChat Pay / Alipay
最後に補足として。私は中国系のバックグラウンドがあり、中国の銀行口座に紐づいたWeChat Payを持っていたので、これもよく使っていた。
ただし、WeChat PayやAlipayは、中国の銀行口座に紐づいていないと、中国国外では基本的に使えない。 なので、これは中国に口座を持っている人向けの話で、多くの人には当てはまらないと思う。
参考までにメリットを挙げておくと、両替手数料がかからないこと、そしてシンガポールのNETSのQRコードと提携が進んでいて、同じQRで支払える場所が増えていること。もし中国口座を持っているなら、選択肢として知っておいて損はない。
決済方法まとめ(比較表)
| 決済方法 | 銀行口座 | 旅行者も使える? | 主な使い道 |
|---|---|---|---|
| タッチ決済(Visa/Master等) | 不要 | ◯ | 日常のほぼ全般・交通 |
| 現金 | 不要 | ◯ | 屋台・小規模店・離島 |
| PayNow | シンガポール口座が必要 | ✕ | 送金・QR決済・生活全般 |
| YouTrip | 現地で発行 | △(要申請) | 東南アジア周遊 |
| Revolut | 現地番号で登録 | △(要申請) | 口座なし同士の送金 |
| WeChat Pay | 中国口座が必要 | ✕ | 中国口座保有者向け |
よくある質問(FAQ)
Q. 日本のクレジットカードは使える?
A. タッチ決済対応のVisa・Mastercardなどなら、ほとんどの店で使える。ただし海外事務手数料がかかるので、長期滞在なら現地口座を開くのがおすすめ。
Q. 現金はどのくらい必要?
A. 基本はキャッシュレスで足りるが、屋台や小規模店のために、1日30〜50シンガポールドルほど持っておくと安心。
Q. DBS口座は留学生でも開ける?
A. 開ける。オンラインで無料で申し込めて、帰国後も維持できる。留学が決まったら早めに開くのがおすすめ。
まとめ
シンガポール留学の決済で、いちばん伝えたいのはこれ。現地に着いたら、まずDBS口座を開くこと。
口座さえあればPayNowが使えて、日々の支払いも友達との送金も一気に楽になる。旅行するならYouTrip、送金にはRevolut、と目的に応じて足していけばいい。
これから留学する人が、お金まわりでつまずかずにスタートを切れますように。


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